5月分東京都区部コアCPIは事前予想を下回る
総務省は5月29日に、5月分東京都区部消費者物価指数(中旬速報値)を発表した。コアCPI(生鮮食品を除く消費者物価指数)は前年同月比+1.3%と4月の+1.5%を下回った。また、事前予想の平均値である+1.5%程度も下回った。
事前には、電気・ガス補助金の終了の影響とタクシー運賃や家賃などサービス価格の上昇によって、5月東京都区部コアCPIの前年同月比上昇率は4月と同水準を維持すると見込まれていた。
実際には、水道料金の値下げが、コアCPIの前年同月比上昇率を4月比で0.23%押し下げた。これが、5月東京都区部コアCPIが事前予想を下回った最大の要因だ。
それに加えて、5月の生鮮食品を除く食料品がコアCPIの前年同月比上昇率を4月比で0.11%押し下げた。
食料品の値上げの動きはなお続いているが、今年に入ってからその動きは鈍ってきている。水道料金の値下げは一時的なものであるが、この食料品の値上げの動きが鈍っているのは、基調的な動きと言えるだろう。
事前には、電気・ガス補助金の終了の影響とタクシー運賃や家賃などサービス価格の上昇によって、5月東京都区部コアCPIの前年同月比上昇率は4月と同水準を維持すると見込まれていた。
実際には、水道料金の値下げが、コアCPIの前年同月比上昇率を4月比で0.23%押し下げた。これが、5月東京都区部コアCPIが事前予想を下回った最大の要因だ。
それに加えて、5月の生鮮食品を除く食料品がコアCPIの前年同月比上昇率を4月比で0.11%押し下げた。
食料品の値上げの動きはなお続いているが、今年に入ってからその動きは鈍ってきている。水道料金の値下げは一時的なものであるが、この食料品の値上げの動きが鈍っているのは、基調的な動きと言えるだろう。
基調的な物価上昇率は下振れ
この先、原油価格高騰の影響からナフサ由来の製品や食料品の価格上昇は広がりを見せてくることが予想されるが、過去数年の円安に由来する食料品の値上げの動きは鈍ってきたと考えられ、ひとたび原油価格高騰の影響が一巡すれば、基調的な物価上昇率は安定化していくことが予想される。
5月の東京都区部CPIで、基調的な物価と考えられる食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く消費者物価指数も、前年同月比+0.7%と4月の+0.9%から下振れている。4月の全国消費者物価指数でも、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く消費者物価指数は前年同月比+1.1%だ。中長期的な物価上昇率のトレンドは、日本銀行の物価目標の2.0%を顕著に下回る1%程度と考えられる。
5月の東京都区部CPIで、基調的な物価と考えられる食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く消費者物価指数も、前年同月比+0.7%と4月の+0.9%から下振れている。4月の全国消費者物価指数でも、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く消費者物価指数は前年同月比+1.1%だ。中長期的な物価上昇率のトレンドは、日本銀行の物価目標の2.0%を顕著に下回る1%程度と考えられる。
6月利上げの有無は微妙な情勢
5月東京都区部コアCPIの前年同月比上昇率が下振れたことは、原油価格上昇が基調的な物価上昇率を押し上げるとの日本銀行内の懸念を一定程度緩和させる可能性が考えられる。
ただし、これは、6月の金融政策決定会合での利上げの有無を大きく左右する材料とはならないだろう。日本銀行内部では、6月の利上げに慎重な執行部と政策が後手に回ることを警戒して6月の利上げに前向きな非執行部(審議委員)とが対立する構図になっていると推察される。また利上げに否定的な政府は、水面下で6月の利上げをけん制している可能性も考えられる(コラム「日銀の執行部はなお6月利上げに慎重な姿勢か(植田総裁の挨拶):非執行部主導で利上げが決まる歴史的な決定会合となる可能性も」、2026年5月27日)。
このように3者間での調整という政治色の強いプロセスを経て、最終的には6月の利上げの是非が決定される可能性が高いと見られる。現時点では6月に利上げが実施されるか否かはかなり微妙な情勢が続いている。
ただし、これは、6月の金融政策決定会合での利上げの有無を大きく左右する材料とはならないだろう。日本銀行内部では、6月の利上げに慎重な執行部と政策が後手に回ることを警戒して6月の利上げに前向きな非執行部(審議委員)とが対立する構図になっていると推察される。また利上げに否定的な政府は、水面下で6月の利上げをけん制している可能性も考えられる(コラム「日銀の執行部はなお6月利上げに慎重な姿勢か(植田総裁の挨拶):非執行部主導で利上げが決まる歴史的な決定会合となる可能性も」、2026年5月27日)。
このように3者間での調整という政治色の強いプロセスを経て、最終的には6月の利上げの是非が決定される可能性が高いと見られる。現時点では6月に利上げが実施されるか否かはかなり微妙な情勢が続いている。
プロフィール
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木内 登英のポートレート 木内 登英
金融ITイノベーション事業本部
エグゼクティブ・エコノミスト
1987年に野村総合研究所に入社後、経済研究部・日本経済調査室(東京)に配属され、それ以降、エコノミストとして職歴を重ねた。1990年に野村総合研究所ドイツ(フランクフルト)、1996年には野村総合研究所アメリカ(ニューヨーク)で欧米の経済分析を担当。2004年に野村證券に転籍し、2007年に経済調査部長兼チーフエコノミストとして、グローバルリサーチ体制下で日本経済予測を担当。2012年に内閣の任命により、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の審議委員に就任し、金融政策及びその他の業務を5年間担った。2017年7月より現職。
※組織名、職名は現在と異なる場合があります。