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政府が6月24日に発表した25日から1週間のガソリン補助金は、1リットル当たり6.0円となった。前週の18.2円から大幅に縮小し、3月19日にガソリン補助金制度が始められて以降、最低水準となった。
 
補助金縮小の背景には、米国とイランの戦闘終結に向けた協議の進展を受けて、海外で原油価格が大幅に下落していることがある。大手のガソリン元売り業者は海外の原油価格を迅速に反映させて、毎週水曜日に翌日以降1週間のガソリン卸売価格を決める。政府はレギュラーガソリンの全国平均小売価格が1リットル170円を超える部分に補助金を支給しているため、海外の原油価格の変動によって迅速に補助金の額も変動することになる。
 
ガソリンの国内小売価格が全国平均で1リットル170円を下回る見通しとなれば、政府は補助金を停止する。ガソリンの国内小売価格が全国平均で1リットル170円となるのは、現在の為替レートのもとでは概ねWTI原油先物価格で1バレル75ドル前後と推測される。現時点では72ドル台であることから、この水準が続けば、来週の水曜日にはガソリン補助金は停止され、ガソリンの国内小売価格が全国平均で1リットル170円を下回る可能性が出てくる。イラン情勢の改善を受けた原油価格下落の恩恵を、国内の消費者は初めて実感できる(コラム「原油価格下落の恩恵を実感できるまでには時間がかかる」、2026年6月19日)。
 
しかし、将来、再びイラン情勢が悪化してホルムズ海峡が封鎖されるリスクが排除できないことを踏まえれば、そのリスクは原油価格に上乗せされ続けることから、原油価格は2月末のイラン攻撃前の水準、つまり1バレル60ドル台まで安定的に下がることは難しいのではないか。その結果、国内ガソリン価格の平均も1リットル160円台にとどまり、150円台までは低下しない計算となる。
 
早ければ来週にも、ガソリン価格は低下し、原油価格下落の恩恵を、消費者は初めて実感できることになるが、その恩恵はそれほど大きなものとはならない。

プロフィール

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    木内 登英

    金融ITイノベーション事業本部

    エグゼクティブ・エコノミスト

    

    1987年に野村総合研究所に入社後、経済研究部・日本経済調査室(東京)に配属され、それ以降、エコノミストとして職歴を重ねた。1990年に野村総合研究所ドイツ(フランクフルト)、1996年には野村総合研究所アメリカ(ニューヨーク)で欧米の経済分析を担当。2004年に野村證券に転籍し、2007年に経済調査部長兼チーフエコノミストとして、グローバルリサーチ体制下で日本経済予測を担当。2012年に内閣の任命により、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の審議委員に就任し、金融政策及びその他の業務を5年間担った。2017年7月より現職。

※組織名、職名は現在と異なる場合があります。