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野村総合研究所と
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9月7日の東京市場の夕刻に、ドル円レートは154円台前半と今年2月以来の円高水準となった。4月末~5月初めの為替介入後の円高水準、7月末の日米協調介入後の円高水準をともに上回り、節目を抜けた感もある。
 
先週末に発表された米国の8月分雇用統計が強めとなり、次回米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測がやや強まったが、それにも関わらず円高が進んだことで、円高傾向の強さが確認された形だ。
 
円高の底流にあるのは、9月の次回金融政策決定会合、及びそれ以降を含めた利上げ観測の高まりだろう。
 
日米協調介入の効果は、通常の単独介入の効果と同様に一時的な効果に終わりやすいが、協調介入をきっかけに、トランプ政権が日本の経済政策への関与を強化しており、その結果、日本の経済政策という経済ファンダメンタルズが変わるという期待が、9月に入ってからの円高をもたらしている(コラム「円安修正が大きく進む:トランプ政権からの圧力で日本の金融・財政政策が変わるとの期待が背景に」、2026年9月4日)。
 
トランプ政権は、日本銀行の利上げへの強い期待を表明している。これは、日本銀行の利上げを促すばかりでなく、利上げを水面下で牽制してきた可能性がある高市政権にも金融政策を巡る方針の修正を迫るものとなっており、それが日本銀行に利上げ実施のフリーハンドを与えている。
 
次の注目点は、高市政権の財政政策だ。トランプ政権は、日本に対して、アベノミクス、リフレ政策を修正するように求めていると見られている。これは、日本銀行の利上げとともに、財政政策の修正を通じて円安・債券安を修正することを高市政権に求めるものだろう。
 
こうしたトランプ政権の異例の関与のもと、高市政権の積極財政政策が修正される兆候が見られ始めれば、日本経済の安定化をもたらす円安・債券安の持続的かつ本格的な修正につながっていく可能性が出てくるのではないか。

プロフィール

  • 木内 登英のポートレート

    木内 登英

    金融ITイノベーション事業本部

    エグゼクティブ・エコノミスト

    

    1987年に野村総合研究所に入社後、経済研究部・日本経済調査室(東京)に配属され、それ以降、エコノミストとして職歴を重ねた。1990年に野村総合研究所ドイツ(フランクフルト)、1996年には野村総合研究所アメリカ(ニューヨーク)で欧米の経済分析を担当。2004年に野村證券に転籍し、2007年に経済調査部長兼チーフエコノミストとして、グローバルリサーチ体制下で日本経済予測を担当。2012年に内閣の任命により、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の審議委員に就任し、金融政策及びその他の業務を5年間担った。2017年7月より現職。

※組織名、職名は現在と異なる場合があります。