15日の東京市場で、10年国債利回りは3.03%と再び3%台に乗った。原油価格が一段と上昇し、また、米国の10年国債利回りが5%台に乗ったことが、その背景にある。
加えて、高市政権が、防衛費のGDP比を現状の2%から3.5%へ引き上げることを検討しているとの報道が財政悪化懸念を高め、長期、超長期の国債利回りの上昇を後押しした。
ブルームバーグは、NATOや他の米国の同盟国と足並みを揃え、防衛費を名目GDP比3.5%に増額する新たな中期目標の設定を、日本政府が検討していると報じた。NATOは2035年までにGDP比5%(うちコア防衛支出3.5%以上)を目指すことで合意している。
日本の選択肢としては、韓国が表明している10年で防衛費を名目GDP比3.5%に引き上げることや、3%とすることなどが検討されているとした。
政府は2026年度に防衛関係費に海保・インフラ強靱化等を含む広義の「安全保障関連経費」の2022年度名目GDP比率2.0%を実現した。年末にかけての防衛3文書の見直しを経て、次の中期計画では防衛費のさらなる積み増しが行われると以前より予想されてきた。
新たな中期計画では、防衛費の名目GDP比率は、新たに2026年度を基準に算出されるとみられる。2026年度の「安全保障関連経費」は約11兆円、2026年度の名目GDP見通しは約690兆円であることから、「安全保障関連経費」の名目GDP比率は1.6%程度まで下振れる計算となる。
新たな計画で2026年度の名目GDPを基準とする場合に、安全保障関連経費のGDP比2.0%を維持するには、防衛予算の上積み額が約2.8兆円必要となる。一方、名目GDP比率(2026年度基準)を3.5%とする場合には、「安全保障関連経費」は約24.2兆円となり、現在の約11兆円から13兆円程度上積みが必要となる。
仮に、10年かけて段階的に名目GDP比率(2026年度基準)を3.5%とする場合には、2027年度の比率は2.15%となる。その際には、「安全保障関連経費」は約14.8兆円となり、2026年度から約3.8兆円の上積みとなる。
筆者の2027年度予算見通しでは、防衛費の名目GDP比率を2.5%まで5年間で段階的に引き上げることを前提に、2027年度分の比率を2.2%と想定した(コラム「来年度予算の歳出増加・減税試算:20兆円超の財政収支の大幅悪化要因に」、2026年8月24日)。その際の防衛費の前年度比増加分は、約4.2兆円となる。10年間で名目GDP比率を3.5%まで引き上げる場合には、この前提よりも2027年度の防衛費の上積み額はやや小さめとなる。
しかし、より長い視点で見れば、想定よりも防衛費は上積みされ、財政悪化リスクは高まることになる。金融市場では、年末に向けた防衛費の議論が、一段の財政悪化リスクの観点から、注目を集めている。
加えて、高市政権が、防衛費のGDP比を現状の2%から3.5%へ引き上げることを検討しているとの報道が財政悪化懸念を高め、長期、超長期の国債利回りの上昇を後押しした。
ブルームバーグは、NATOや他の米国の同盟国と足並みを揃え、防衛費を名目GDP比3.5%に増額する新たな中期目標の設定を、日本政府が検討していると報じた。NATOは2035年までにGDP比5%(うちコア防衛支出3.5%以上)を目指すことで合意している。
日本の選択肢としては、韓国が表明している10年で防衛費を名目GDP比3.5%に引き上げることや、3%とすることなどが検討されているとした。
政府は2026年度に防衛関係費に海保・インフラ強靱化等を含む広義の「安全保障関連経費」の2022年度名目GDP比率2.0%を実現した。年末にかけての防衛3文書の見直しを経て、次の中期計画では防衛費のさらなる積み増しが行われると以前より予想されてきた。
新たな中期計画では、防衛費の名目GDP比率は、新たに2026年度を基準に算出されるとみられる。2026年度の「安全保障関連経費」は約11兆円、2026年度の名目GDP見通しは約690兆円であることから、「安全保障関連経費」の名目GDP比率は1.6%程度まで下振れる計算となる。
新たな計画で2026年度の名目GDPを基準とする場合に、安全保障関連経費のGDP比2.0%を維持するには、防衛予算の上積み額が約2.8兆円必要となる。一方、名目GDP比率(2026年度基準)を3.5%とする場合には、「安全保障関連経費」は約24.2兆円となり、現在の約11兆円から13兆円程度上積みが必要となる。
仮に、10年かけて段階的に名目GDP比率(2026年度基準)を3.5%とする場合には、2027年度の比率は2.15%となる。その際には、「安全保障関連経費」は約14.8兆円となり、2026年度から約3.8兆円の上積みとなる。
筆者の2027年度予算見通しでは、防衛費の名目GDP比率を2.5%まで5年間で段階的に引き上げることを前提に、2027年度分の比率を2.2%と想定した(コラム「来年度予算の歳出増加・減税試算:20兆円超の財政収支の大幅悪化要因に」、2026年8月24日)。その際の防衛費の前年度比増加分は、約4.2兆円となる。10年間で名目GDP比率を3.5%まで引き上げる場合には、この前提よりも2027年度の防衛費の上積み額はやや小さめとなる。
しかし、より長い視点で見れば、想定よりも防衛費は上積みされ、財政悪化リスクは高まることになる。金融市場では、年末に向けた防衛費の議論が、一段の財政悪化リスクの観点から、注目を集めている。
プロフィール
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木内 登英のポートレート 木内 登英
金融ITイノベーション事業本部
エグゼクティブ・エコノミスト
1987年に野村総合研究所に入社後、経済研究部・日本経済調査室(東京)に配属され、それ以降、エコノミストとして職歴を重ねた。1990年に野村総合研究所ドイツ(フランクフルト)、1996年には野村総合研究所アメリカ(ニューヨーク)で欧米の経済分析を担当。2004年に野村證券に転籍し、2007年に経済調査部長兼チーフエコノミストとして、グローバルリサーチ体制下で日本経済予測を担当。2012年に内閣の任命により、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の審議委員に就任し、金融政策及びその他の業務を5年間担った。2017年7月より現職。
※組織名、職名は現在と異なる場合があります。