ガソリン基準価格は1リットル170円から毎月5円ずつ引き上げへ
高市首相は10月29日に、今年3月19日から実施しているガソリン補助金について、原油価格の動向を注視しつつ、春先にかけて基準価格を現在の1リットル170円程度(全国レギュラーガソリン平均)から毎月5円ずつ引き上げる考えを示した(コラム「高まるガソリン補助金見直しの議論」、2026年10月27日)。
当初の基金約1兆1,600億円は7月末に約2,100億円まで減り、6月に成立した2026年度補正予算で設けた2兆5,000億円の「中東情勢等対応予備費」から9月1日に6,136億円を積み増した。
さらに9月分の補助金は約1,800億円であり、9月末時点での基金の残高は約5,600億円とみられる。首相は、1日当たりのガソリン補助金額が100億円超であると説明した。
さらに、海外原油価格の上昇を映して、最新のガソリン補助金は1リットル当たり52.4円まで上昇している。これを踏まえると、基金は11月中旬頃に枯渇すると考えられる。政府は、「中東情勢等対応予備費」から1.1兆円を燃料油対策基金に充てる措置を閣議決定した。
当初の基金約1兆1,600億円は7月末に約2,100億円まで減り、6月に成立した2026年度補正予算で設けた2兆5,000億円の「中東情勢等対応予備費」から9月1日に6,136億円を積み増した。
さらに9月分の補助金は約1,800億円であり、9月末時点での基金の残高は約5,600億円とみられる。首相は、1日当たりのガソリン補助金額が100億円超であると説明した。
さらに、海外原油価格の上昇を映して、最新のガソリン補助金は1リットル当たり52.4円まで上昇している。これを踏まえると、基金は11月中旬頃に枯渇すると考えられる。政府は、「中東情勢等対応予備費」から1.1兆円を燃料油対策基金に充てる措置を閣議決定した。
補助金見直しで月間補助金総額は2,522億円減少
政府はかつて、ガソリンを30円分補助すると1か月の補助総額が約3,000億円になるとの試算を示していた。そのもとでは、1日当たりの補助金は約100億円となる。このことから、ガソリン補助金の対象となる燃料(ガソリン・軽油・灯油・重油・航空機燃料)の消費量は1日当たり約3.33億リットルと試算できる。
現時点の1リットル当たり52.4円の補助金の下では、1日当たりの補助金総額は174.5億円(52.4円×3.33億リットル)、1か月あたりで5,235億円となる計算だ。
高市首相は春先にかけて基準価格を現在の1リットル170円程度から毎月5円ずつ引き上げる考えを示している。仮に今年12月から来年4月まで毎月5円ずつ引き上げる場合、基準価格は1リットル170円から195円となる。その場合、補助金は1リットル当たり25円削減され、27.4円となる。その際、1か月あたりの補助金は27.4円×3.3億リットル×30日で2,713億円になる。
現時点の月間補助金総額の試算値5,235億円から、2,522億円減少することになる。これが補助金の見直しによる財政負担の軽減額となる。
現時点の1リットル当たり52.4円の補助金の下では、1日当たりの補助金総額は174.5億円(52.4円×3.33億リットル)、1か月あたりで5,235億円となる計算だ。
高市首相は春先にかけて基準価格を現在の1リットル170円程度から毎月5円ずつ引き上げる考えを示している。仮に今年12月から来年4月まで毎月5円ずつ引き上げる場合、基準価格は1リットル170円から195円となる。その場合、補助金は1リットル当たり25円削減され、27.4円となる。その際、1か月あたりの補助金は27.4円×3.3億リットル×30日で2,713億円になる。
現時点の月間補助金総額の試算値5,235億円から、2,522億円減少することになる。これが補助金の見直しによる財政負担の軽減額となる。
ガソリン価格195円で家計の年間負担増加は1万1,003円
次に、ガソリン補助金見直しの家計への影響を考える。2人以上世帯の2025年の年間平均ガソリン購入量は440.1リットルだった。この購入量のもと、現在の1リットル170円のガソリン価格では、世帯の年間ガソリン支出額(170円×440.1リットル)は7万4,817円となる。
補助金の見直しでガソリン価格が12月に1リットル175円となる場合には、世帯の年間ガソリン支出額(175円×440.1リットル)は7万7,018円となる。増加額は年換算で2,201円となる。
仮に来年4月に1リットル195円まで基準価格が引き上げられる場合、世帯の年間ガソリン支出額(195円×440.1リットル)は8万5,820円となる。現在の基準価格170円のもとでの支出額と比べると、1万1,003円の年間支出の増加となる。
国民の間で燃料費高騰への不安が一気に強まった今年3月時点では、ガソリン補助金を導入したことは適切であったが、それを長く続けるほど弊害は大きくなる(コラム「高まるガソリン補助金見直しの議論」、2026年10月27日)。現時点で補助金制度の見直しを進めることは適切な判断だ。
さらなる見直しの方向は、補助金額の削減よりも、一律補助の制度を見直し、中低所得者や地方で車の利用が欠かせない世帯を集中的に支援する仕組みに変えることだ。そのもとで財政負担をさらに軽減させることも可能となるだろう。
補助金の見直しでガソリン価格が12月に1リットル175円となる場合には、世帯の年間ガソリン支出額(175円×440.1リットル)は7万7,018円となる。増加額は年換算で2,201円となる。
仮に来年4月に1リットル195円まで基準価格が引き上げられる場合、世帯の年間ガソリン支出額(195円×440.1リットル)は8万5,820円となる。現在の基準価格170円のもとでの支出額と比べると、1万1,003円の年間支出の増加となる。
国民の間で燃料費高騰への不安が一気に強まった今年3月時点では、ガソリン補助金を導入したことは適切であったが、それを長く続けるほど弊害は大きくなる(コラム「高まるガソリン補助金見直しの議論」、2026年10月27日)。現時点で補助金制度の見直しを進めることは適切な判断だ。
さらなる見直しの方向は、補助金額の削減よりも、一律補助の制度を見直し、中低所得者や地方で車の利用が欠かせない世帯を集中的に支援する仕組みに変えることだ。そのもとで財政負担をさらに軽減させることも可能となるだろう。
プロフィール
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木内 登英のポートレート 木内 登英
金融ITイノベーション事業本部
エグゼクティブ・エコノミスト
1987年に野村総合研究所に入社後、経済研究部・日本経済調査室(東京)に配属され、それ以降、エコノミストとして職歴を重ねた。1990年に野村総合研究所ドイツ(フランクフルト)、1996年には野村総合研究所アメリカ(ニューヨーク)で欧米の経済分析を担当。2004年に野村證券に転籍し、2007年に経済調査部長兼チーフエコノミストとして、グローバルリサーチ体制下で日本経済予測を担当。2012年に内閣の任命により、日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の審議委員に就任し、金融政策及びその他の業務を5年間担った。2017年7月より現職。
※組織名、職名は現在と異なる場合があります。