コンサルティング領域

NRIの経営改革コンサルティング

事業環境の不確実性が高まり、また変化のスピードが早くなっているなか、企業の変化に対する適応能力が問われています。企業の適応能力は、大きく「戦略を作り上げる力」と「戦略をやりきる力」にわかれます。

「戦略を作り上げる力」とは、企業が事業環境の現状と将来を直視したうえで、持続的な成長を実現するための中長期的な道筋を描く力です。一方で、戦略を絵に描いた餅で終わらせないためには、「戦略をやりきる力」も同時に求められます。

戦略をやりきるためには、戦略のみならず、組織、経営の仕組み、オペレーション、経営資源といった経営の諸要素を、全体最適となるよう互いに適合する形で構築する必要があります。しかし、これらの要素はしばしば硬直的であり、また長年の経営のなかで、社内の利害対立や権力争い、ルールの形骸化などにより徐々に歪んでいくものです。そのため、企業は適時適切に、これらの諸要素の改革すなわち「経営改革」を断行する必要があります。しかし、多岐にわたり複雑に絡み合うテーマ、求められるスピード、改革に対する反発といった要因から、なかなかクライアント単独では経営改革を成功させることが難しいのが現実です。

NRIの経営改革コンサルティングチームは、改革の大義づくりや構想策定から実行に至るまで、クライアントに寄り添い改革を一緒に実現していく経営参謀として、難易度の高い経営改革を支援し、クライアントの持続的な成長に貢献します。

経営改革の全体像

戦略

長期ビジョン・中期経営計画策定

多くの企業で採用されている3-5年単位の「フォーキャスト型」の中期経営計画の策定では、現状維持バイアスが働き短期志向に陥りがちです。NRIは、10年から数十年後の未来社会を見据えた長期ビジョンを策定し、長期ビジョンを実現するための中期経営計画を考える「バックキャスト型」の策定プロセスを支援しています。

未来社会は容易に描けるものではありませんが、将来起こりうるであろう複数の事象をシナリオとして設定し、そのインパクトや確率を評価する「シナリオ・プランニング」を行うことが有効です。

シナリオ・プランニングによる「バックキャスト型」戦略策定

事業ポートフォリオ転換

近年グローバル化やデジタル化が進むなかで、企業にとってディスラプションによる事業環境の大変化は避けられないものとなっています。転換期には、迅速かつ大胆に事業ポートフォリオを組み換え、衰退する既存事業に代わる新たな成長事業を創造する必要があります。NRIは、市場成長性や収益性の視点による事業の総点検や新規事業の探索・創造を支援しています。

新陳代謝を促進し、持続的成長を実現するための事業ポートフォリオ管理

経営理念・パーパスの再定義

既存の事業領域の延長線上ではない長期ビジョンの策定や、転換期における事業ポートフォリオの組み換えにおいては、よりいっそう組織を束ねる「求心力」が求められます。NRIは、企業・組織の存在意義を再定義し、共通の価値観を浸透させるパーパス(Purpose)コンサルティングでクライアントをサポートします。

NRIのサステナビリティ&パーパスへの視点・取り組み方はこちらをご覧ください

組織

アライアンス支援(経営統合・Post Merger Integration・JV)

事業環境の変化に適応するために、複数の企業グループ同士による経営統合や、国籍・業種を超えたM&Aが増えています。しかし、経営の仕組みやオペレーション、組織文化が異なる組織の融合に失敗し、再編・買収の効果を発揮できていないケースが多いのが実態です。NRIは、組織再編に伴う組織、経営・ガバナンスの仕組み、オペレーション、経営資源の各テーマにおける課題解決のための専門チームに加え、再編プロジェクト全体を統括するPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)もハンズオンで支援しています。

NRIのPMIへの視点・取り組み方はこちらをご覧ください

組織再編

事業拡大に伴い、組織は大きく、より複雑になっていきます。企業内の事業部門やバックオフィス、地域支店の数はもちろん、グループを構成する子会社・孫会社も増えていきますが、組織再編にはなかなか手をつけにくいのが実態です。しかし、長年にわたり固定的な組織形態は、組織内に歪みをもたらすため、環境変化に合わせた改良や見直しが求められます。NRIは、組織、経営の仕組み、オペレーション、経営資源の各タスクの構想策定から実行支援まで一気通貫の支援に加え、再編プロジェクト全体を統括するPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の支援も行います。

組織再編プロジェクトの一例

組織構造の見直し

組織構造には、さまざまな選択肢があります。カンパニー制にすべきか持株会社体制にすべきか、またビジネスユニットを製品別にすべきか地域別にすべきか―これらの問いに普遍的な正解は存在せず、それぞれが良い面と悪い面を持ち合わせています。単にビジネス書に書かれた理論や他社事例を真似るだけでは、組織設計はうまくいきません。それぞれの組織が有機的に結合し全体最適を実現できるようにするためには、自社のビジョンや戦略への適合性、置かれた事業環境や企業内部の課題を踏まえ、その企業ならではの指揮命令系統、組織間の連携やコンフリクトへの対処方法を設計することが重要です。NRIは、フロントオフィスからミドル・バックオフィスに至るあらゆる部門、また地域支店や海外拠点の再設計を支援しています。

組織構造の設計のアプローチ

経営の仕組み

コーポレート・ガバナンス改革

近年、ひとつの不祥事が経営に致命的な影響を与えるケースも増えており、コーポレート・ガバナンスの重要性は年々高まっています。法令遵守や情報開示への対応といった守りの側面もさることながら、投資家からの信頼と期待を得て企業価値を追求していくためには、より高い水準でコーポレート・ガバナンス体制を維持していくことが重要となります。NRIでは、取締役会の機能発揮などの中核的なテーマに加え、サステナビリティ経営やDXの推進など今後注目されるテーマから、クライアントのコーポレート・ガバナンス体制の改革を支援しています。

コーポレート・ガバナンス改革による企業価値の向上

経営管理の高度化

企業価値を持続的に高めていくためには、売上高や営業利益などのP/L(損益計算書)指標だけでなく、企業の成長と稼ぐ力を評価する指標としてFCF(フリーキャッシュフロー)が重要となります。事業の稼ぐ力を測る指標としては、ROIC(投下資本利益率)が注目されています。NRIは、事業ポートフォリオ管理におけるROICやキャッシュフロー経営の導入など、これからの時代に求められる経営管理の枠組みの実装を支援しています。

また、事業環境に与える影響の不確実性が高まり、企業の不確実性に対する脆弱性が懸念されるようになるなか、企業経営においても「バタフライ効果」は無視できないものとなりつつあります。「ブラジルでの1匹の蝶の羽ばたき」とまではいかなくとも、自社の事業環境に影響を与えるさまざまな要因を収集・分析し、環境変化に迅速に対応できるようにすることが重要です。NRIは、自社内の経営情報の見える化に留まらず、顧客や競合、マクロ環境の動向を経営判断に活かす「経営インテリジェンス機能」の導入を支援しています。

データを活用した経営インテリジェンス機能による経営管理の高度化

意思決定プロセスの見直し

事業の規模や範囲が拡大するにつれ、必要な組織の数は増えます。その結果、組織のレイヤーが多層化し、複数の組織間の複雑な調整が発生するようになり、意思決定のプロセスが非効率になっているケースが多く見られます。また、日本企業に特徴的な稟議の仕組みは、会議を開かずに合議をできるメリットはあるものの、承認ルートが長いことに加え、かついまだに書面回覧というアナログな方法を採用している企業も多く、効率的な意思決定を妨げる一因となっています。NRIは、意思決定プロセスの高度化によるガバナンスの高度化と業務の効率化の両立を支援しています。

オペレーション

コスト構造改革

企業経営にかかるさまざまなコストの大胆な見直しは、難易度の高い経営課題のひとつです。それぞれの部署では小さなコストの増加も、企業全体で見ると「塵も積もれば山」となります。しかし、組織には現状維持バイアスが働くため、コストを削減する方向にはなかなか進みにくいのが現実です。NRIは、販管費の中でも特に問題となりやすい人件費や間接材の調達費用などに対し、現状分析から削減実行までトータルで支援しています。

業務改革(BPR)

企業は、顧客提供価値の追求とコスト競争力を両立させるために、業務の品質と効率の双方を適正な水準で実現する必要があります。さらに近年は、会社に対する社員のエンゲージメントを高め、働きやすい環境を整備するという「働き方改革」の観点からも、企業内のあらゆる業務オペレーションの見直しが重要なテーマとなりつつあります。NRIは、クライアントの業種や対象業務の特性に応じた業務実態調査に基づく、あるべき業務プロセスの設計・実装を支援しています。

シェアードサービス・BPO

シェアードサービスとは、企業内の複数の事業部門やグループ会社に共通して存在する間接業務を集約させる事で、業務品質の向上やコスト削減を図ることを指します。また、企業内に間接業務を集約させるだけでなく、より低コストでサービスを提供する外部企業に業務を委託するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)も有効な手法のひとつです。NRIは、業務改革(BPR)とシェアードサービス化やBPO導入をトータルで支援しています。

経営プラットフォームとしてのシェアードサービスセンターによる経営基盤の強化

経営資源

NRIの組織・チェンジマネジメントへの視点・取り組み方はこちらをご覧ください

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