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スマートビルによって加速する新たな働き方

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2021/09/01

コロナ禍において、テレワークやフレックスタイム制など多様な働き方が広がっています。国交省が今年3月に発表した「テレワーク実施率調査」によると、全国の全就業者におけるテレワーカーは22.5%になっています。また、東京都が今年7月に実施した「テレワーク導入率調査」によると、都内企業(従業員30人以上)のテレワーク導入率は61.9%で、テレワークを実施した社員は49.4%だとされています。さまざまな見立てはありますし、業種・業態によって状況は大きく異なりますが、アフターコロナにおいても、新しい働き方は一定程度定着していくのではないかと思われます。この新しい働き方の広がりを促進する空間・ソリューションとして注目されているスマートビルに着目したいと思います。

働く場所の分散化とオフィスの魅力度向上

オフィスワーカーは、これまで企業のオフィスに出社して勤務することが一般的でした。しかしテレワークが進展する中では、働く場所はオフィスにとどまらず、自宅、サテライトオフィスなど選択肢が増えてきています。特に、サテライトオフィスは大都市を中心に急増しており、顧客のオフィス近隣や病院・介護施設・保育園の近隣、行楽地などさまざまな場所に設置され、利用されています。
働く場所が分散化する中で、どこで働いても一定の業務効率やコミュニケーションが担保されることが期待されるようになってきており、企業はさまざまな対応を検討しています。さらに、オフィスへの出社頻度が低くなる中で、あえて出社という選択肢をとるからには、オフィス空間はより高い創造性と生産性が実現できる場であってほしいとの期待も高まってきています。

スマートビルによる生産性・快適性の向上

以上のような期待に応える空間・ソリューションとして、スマートビルが注目され始めています。最も進んだスマートビルでは、各種センサー、スマートフォン、カメラ等からの情報や、企業やオフィスで活用しているシステムからの情報を収集・統合・分析・予測して、スマートフォン・PC・設備・人・ロボット・システムに対して、生産性や快適性を向上させるための情報やアドバイスを提示することが可能とされています。
例えば、自宅からや移動中にスマートフォン経由で会社やサテライトオフィスの席や会議室の予約ができ、会社に着くと顔認証で入館ゲートを通過、混雑状況と行き先フロアを勘案してちょうどよい時間に到着するエレベーターにほとんど待ち時間なく乗れる。そして自席につくと快適な室温・照明が自動・個別制御されていて、疲れたタイミングでいつものコーヒーをロボットが運んでくれる。また、会話するとアイデアが生まれる可能性の高い同僚の休憩時間が共有されたり、仕事量や運動量、精神状態や健康状態を考慮した周辺飲食店のヘルスケアメニューのクーポンや休憩・運動アドバイスメッセージがスマートフォンに配信されたりする――。このような職場環境が実現する可能性があります。
新たな働き方とスマートビルのような空間・ソリューションは表裏の関係にありますが、今後の社会・技術変革を見据え、技術を使いこなしながら、企業にも生活にも社会にも優しい様式を追求していく必要があるでしょう。

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