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地域に寄り添った、災害に強い地域づくりのために

熊本の創造的復興を支える

社会システムコンサルティング部 公共プロジェクト室

2016/09/30

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2016年4月の熊本地震では、同じ場所で震度7が2回連続して発生するという、観測史上例を見ない事態が起きました。活断層が2,000以上も走る日本では、どの地域・都市においても大規模地震が起きる可能性を想定し、防災対策はもちろんのこと、地震後の復旧・復興を速やかに進める施策が不可欠です。NRIは、地域再生や防災関連政策など幅広い分野で提言したり、阪神・淡路大震災、東日本大震災においては、兵庫県や宮城県の「復興計画」策定を支援したりしました。これらの経験を活かして、今回は被災地熊本に対して、創造的な「地域づくり」を目指す震災復興事業を支援しています。

熊本県および同県益城町に、復興事業の支援や政策提言を実施

NRIは「平成28年熊本地震」が起きた直後に、熊本県および県内市町村の震災復興支援を行うことを決定し、現在取り組みを進めています。NRI社長の此本臣吾が自ら熊本に赴き、県内の役所や被災地を訪問して、被災状況や支援に対するヒアリングを行った際に、NRIの知見が復興事業の推進に役立つと確信し、支援を申し出ました。
まず取り組んだのは、今回の地震で最も甚大な被害に見舞われた益城町における「震災復興基本方針」および「震災復興計画」の策定支援です。次は、この方針・計画にしたがって、主にソフト面の事業を中心とした復興の推進を支えていきます。また、熊本県に対しては、県内の震災復興を実現するための事業(まちづくり、インフラ、産業など)の企画立案に協力し、官民連携にもとづく実現を支援します。
これらとあわせて、政府や九州地方を中心とする全国の自治体に対し、熊本地震が示唆する今後の防災、減災、耐震化といった政策のあり方について分析や検討を行い、遂次、提言を公表していきます。

NRIが持つ、多様な知見と実績の提供

なぜNRIは、熊本地震の復興支援にいち早く取り組んだのでしょうか。それは私たちが、創業時からさまざまな分野の政策・施策づくりにかかわり、災害復興や地域再生に関して蓄えてきた多様な知見を活かそうと考えたからです。そしてもう一つ、震災後は、その地域の未来を見通した復興計画づくりを速やかに着手する必要があるということを、経験的に知っているからです。
これまで、阪神・淡路大震災と東日本大震災の発生に際しては、兵庫県や宮城県の復興計画策定に全面的に支援してきました。東日本大震災が起きたとき、NRIは直ちに「震災復興支援プロジェクト」を立ち上げ、NRIの本業で蓄積の多い、「エネルギー」、「産業振興」などの分野を中心に、復興に向けた具体的な提言を行いました。宮城県に対しては、「復興計画」策定を全面的に支援し、県が復興のために取り組むべき事柄や実現すべき事業を表す10年間のロードマップづくりにかかわるとともに、復興活動が円滑に進むよう、さまざまな取り組みをサポートしました。

大規模災害の復興には「地域づくり」の視点が必要

大規模災害が起きたときには、問題の大きさ、深さ、広がりを素早くとらえ、復興に向けて、「何をいつまでに、どのような状態にしていくか」に関して、幅広い分野の知見を総動員しながら早期に具体的に計画を立案することが必須です。初動が遅ければ、それだけ復興が立ち遅れてしまうからです。短期に取り組むべきこと、中長期でとらえるべきことなど、計画のタイムスパンもさまざまな設定が必要です。
また、被災地の復興には新たな「地域づくり」の視点が不可欠です。現地の実態を把握し、以前からその地域が構造的に抱えている課題をとらえながら、そこに暮らす人々にとって望ましいかたちで地域を創生していくことが求められます。

写真:熊本県益城町復興課の職員の方(右のお二人)とNRI役職員(写真中央がNRI社長此本臣吾)

NRIでは、社員2名が現地(熊本県益城町)に常駐し、職員の方々が取り組む復興事業をスムーズに実現するためのサポートを開始しました。益城町は、「地域住民の意向に沿った復興計画づくり」を強く打ち出しています。そのためまずは、行政の立場から一人でも多くの住民の声を聞き続けることが重要です。聞き続けることで目先の問題・要望だけでなく、将来の地域づくりに対する想いを引き出すことができるのです。また住民へのアンケートだけでは、あくまで「個」の視点で「個」の意見が出てきてしまいがちですが、地域としての意見を聞くために、地区の人が集まって行政と意見を交換する場(まちづくり協議会)の開催を支援しています。復興の過程では、住民の住む場所が変わってきています。もともと住んでいた場所から新しい場所に移っても、地域のつながりを維持してもらうため、回覧板や祭り・イベントのお誘いといった活動を支援していくことも重要であると考え、活動を行っています。

「創造的復興」の理念を体現する革新的プロジェクトを提案

熊本県は、震災で生産基盤に甚大な被害を受けた農林・畜産業、基幹となる建物や設備に大きな損傷を負った製造業、阿蘇・熊本城というダブルエースを失った観光業などを中心に、早急な復興を進めていく必要があります。熊本は、元来経済力があり、地理的にみても九州の防災拠点としての役割を期待されてきました。重要なのは、復興の過程で、熊本県が持っているポテンシャルを最大限発揮させ、震災復興のシンボルとなる力強い地域づくりを実現していくことです。NRIは、復興に関与する国・地域・民間それぞれを対象に行ってきたプロジェクト経験を融合させ、「生産性向上」、「IoT*1・AI*2の活用」、「ローカルイノベーション*3」といった日本再興に向けた施策を、熊本の地で先導的に実現するための“エポックメーキング”な戦略およびプロジェクトの立案を支援していきます。

NRIは、自治体の個別事情や、地域の各産業の実態を踏まえ、熊本地域の創造的復興につながる支援を全力で進めています。また、熊本地震から得られる教訓を、災害と向き合う対策として日本各地で活かせるよう、全国に提言・発信していきます。

  • *1 IoT・・・

    Internet of Things(モノのインターネット)の略。世の中に存在するさまざまなモノに通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することで、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行う情報通信システムやサービスを指す。機械設備の保守、健康データの活用など幅広い用途が期待されている。

  • *2 AI・・・

    Artificial Intelligence(人工知能)の略。コンピュータ上で人と同じように高度な知能を実現すること。AIが自ら情報を分析・判断・学習できるようになり、音声認識や自動応答等に活用されている。

  • *3 ローカルイノベーション・・・

    明確な出口戦略のもと、大学、研究機関、企業、金融機関等の連携を促進し、日本型イノベーション・エコシステムの形成や地域中核企業等への支援等を通じて、地域の「稼ぐ力」を引き出す取り組みを行う。

地域創生や復興への提言について興味があり、さらに詳しいことを知りたいと思う方のための情報として、以下を紹介します。

■ 熊本地震復興への提言 11月以降発表予定

(1)住民アンケートから見える課題
(2)“ローカルハブ”としての再生の方向性
※都合により、タイトルが変更になる場合があります。

■ ニュースリリース

平成28年熊本地震に関するNRIグループの取り組みについて
リンク先:
https://www.nri.com/jp/Files/PDF/news/newsrelease/cc/2016/160616_1
https://www.nri.com/jp/Files/PDF/news/newsrelease/cc/2016/160721_1

■ 書籍 地方創生2.0

地方創生2.0

発行:東洋経済新報社 定価:本体2,400円+税
発行年月:2016年10月
著者:野村総合研究所 神尾文彦、松林一裕

与えられる地方創生から独立経済の構築へ
京都、浜松、四日市、福山市など国内都市圏のほか、ドイツの拠点都市での実践事例に学ぶ自立共生型モデル

詳しくはこちら

■ 書籍 ラストキャリア―50代からの地方創生に貢献する新しい選択肢―

ラストキャリア―50代からの地方創生に貢献する新しい選択肢―

発行:東洋経済新報社 定価:1,500円+税
発行年月:2016年2月
著者:野村総合研究所 谷川史郎

ビジネスエリートたちはなぜ“地方”で働くことを選んだのか?市長、副市長、地域連携マネージャー、大学副学長……地方創生のキーパーソンとして活躍している4人の徹底取材をもとに、ビジネスパーソンが職業人生の集大成として“地方”で働くことの魅力と、そのための実践的ノウハウを解説しています。

詳しくはこちら

■ ムック本 東京・首都圏はこう変わる! 未来計画2020

東京・首都圏はこう変わる! 未来計画2020

発行:日本経済新聞出版社 定価:1,000円+税
発行年月:2014年4月
著者:野村総合研究所

2020年の東京オリンピックに向けて、現在、東京都心や臨海部、その周辺で都市開発やインフラ整備が計画されています。それらが実施されることでこれから東京・首都圏に起こる大きなインパクトを、生活者の視点で伝えます。

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コーポレートコミュニケーション部
E-mail: kouhou@nri.co.jp

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