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NRI トップ サステナビリティ ステークホルダー・ダイアログ 2017年度 CSRダイアログ(要約)

サステナビリティマネジメント

2017年度 CSRダイアログ(要約)

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2017年7月31日、英国ロンドンに在住の5名の有識者をお迎えして、NRIでは初となる海外でのダイアログを「CSRダイアログ」として開催しました。その後、9月12日に東京でも3名の有識者をお迎えして、「CSRダイアログ」を開催しました。ダイアログでは、常務執行役員の横山賢次および管理職数名と、「ESGを巡る状況」や「NRIグループに求められる対応」などについて意見を交わしました。

(所属、役職は2017年9月時点)

  • 写真:コリン・メルヴィン氏
    コリン・メルヴィン氏

    アルカディコ・パートナーズ
    創設者および代表

    NRIは、投資家とどのような関係を築くとよいのでしょうか?

    PRI(責任投資原則)や他のイニシアティブが真に狙うことは、社会・環境・経済面での利益を増進させるべく、ビジネスと投資行動のあり方を変えることです。だからこそ、私たちは、私たちの活動(responsibility)が、事業から切り離された、何か別の新しいものを作り出すことのないように注意しなければなりません。複数のESG指標が存在しますが、いずれも、責任ある事業への転換を促すものでなければなりません。企業による豊かな社会への貢献を十分に説明しないもの、単なる企業の比較評価に終始するものであってはいけません。このためにも投資家は、目的に合致した指標を用いているかどうかを把握する必要があります。「企業の唯一の目的は株主価値の最大化」というミルトン・フリードマンの名言がありますが、これは間違っています。企業は「社会経済における富の創出の原動力(エンジン)」なのです。企業にとって「利益」とは、良い活動、有益な活動を適切に実行することによってもたらされる「結果」なのです。

  • 写真:鈴木 祥氏
    鈴木 祥氏

    ハーミーズEOS
    エンゲージメント担当
    マネージャー

    NRIが自社のガバナンス体制を説明する際に網羅すべき点は?

    コーポレートガバナンスの制度は国によって異なります。これは一国のモデルが他国に合うとは限らないためです。これを踏まえた上で、日本の制度の下でも、グローバル基準が求めるところの本質を捉え、それに応えるための仕組みの整備や開示を進めることが重要ではないでしょうか。
    例えば、取締役会の構成に関して、私たちは、監査役設置制度自体が必ずしも悪いとは言っておらず、取締役会の有効性を高めることが重要だと考えています。これには独立性が重要ですが、それだけでなく、監視機能の有無も確認する必要があると考えています。必ずしも「この形がいい」と決めるのではなく、エンゲージメントを通じて、いろいろとお話を聞きながら個々の企業の状況について判断することが重要です。多くの場合は、IRレベルからエンゲージメントを開始し、必要に応じて独立の役員との会議もお願いしています

  • 写真:スティーブ・ウェイグッド氏
    スティーブ・ウェイグッド氏

    アビバ・インベスターズ
    チーフ・レスポンシブル・
    インベストメント・オフィサー

    NRIが考慮すべき人権課題とは?

    ICT業界では、デジタルライツが大きなテーマになると考えています。
    これには「表現の自由」が含まれます。「表現の自由」について、今、政府が一方的にインターネットをシャットダウンし、表現の自由に制限をかけるといった事態が起きており、これが問題になっています。
    NRIは、事業を人権視点から捉え、事業を通じて「表現の自由」や「個人情報の保護」といった権利をどのように侵害する可能性があるのか、また、侵害された人々をどう救済できるのかを考えるとよいでしょう。
    貴社のマイナンバーに関する事業が、自動的に個人情報を吸い上げるものであるならば、このサービスが人権に及ぼす影響の有無について、世界人権宣言に照らし合わせて考察する必要があると思います。

    NRIが事業を通じて人権の尊重に寄与することできることは?

    ポジティブな影響力の行使、といった観点にも触れてみましょう。例えば、貴社のコンサルティング事業を通じて、企業に人権配慮の取組や、その価値を伝えていくという取り組みが考えられるでしょう。UN、OECD、ダボス、World Investment Forumが開催する会議には、サステナビリティに関心を持つ人々が多く集まり、いいネットワーク構築の場です。このような会議に参加し、サステナビリティの側面においてブランドを築くことも考えられるでしょう。

  • 写真:ピーター・ウエブスター氏
    ピーター・ウエブスター氏

    EIRIS財団 CEO

    NRIが考慮すべき人権課題とは?

    自社・サプライチェーン問わず、労働者の権利、性別や国籍による差別の禁止といった、ILO(国際労働機関)中核的労働基準は、(他の業界と同様に)ICT業界にとっても重要なテーマです。協力会社においても、もちろん、協力会社とそこにおける労働者の労働環境を知ることが重要です。

    NRIが事業を通じて人権の尊重に寄与することできることは?

    貴社の共同利用型サービスを、サステナビリティや人権の分野に適用することも考えられるでしょうか。マネージャーがポートフォリオを判断する際に、人権側面から有意義な情報がITを通じて提供されると助かるものと思います。すでに、貴社が提供するサービスの中に人権に関する事項を取り込むことも、考えられるかもしれません。

  • 写真:マウリッチオ・ラザラ氏
    マウリッチオ・ラザラ氏

    ビジネス・人権資料センター
    副センター長

    NRIが考慮すべき人権課題とは?

    ICT業界といっても様々な事業形態があることを理解しています。貴社の事業に照らし合わせれば、「表現の自由」よりも「個人情報の保護」の方が、より事業との関連性が強いと言えるかもしれません。

    人権課題は、サプライチェーンの上流にも存在するでしょう。例えば、「利用するサーバーに紛争鉱物が使用されていないか」「顧客にサービスを提供するべく稼働するサーバーのエネルギー源は何か」を確認することも重要です。

  • 写真:プヴァン・セルヴァナサン氏
    プヴァン・セルヴァナサン氏

    ブルーナンバー財団
    CEO

    海外展開を進めるNRIに求められる対応とは?

    人権・環境を含めた各々のESG課題は、NRIのグローバル戦略とそれぞれ密接に関連しているため、個々別々に捉えて考えるべきではありません。
    ESGはもはやグローバルに普遍的なコンセプトであり、NRIがサービスを提供する顧客企業や買収先の企業も、ESGの基準により計量的に評価される時代です。
    こうしたグローバルなESGの潮流の中で、NRIは今後どのようにビジネスを成長させていくのかという視点が重要です。
    すなわち、NRIがグローバル化を推進していく中で、NRIの製品やサービスにESGをどのように組み込んでいくかという、ESGソリューション・手法そのものが大きなビジネスチャンスになりうるということです。

  • 写真:ヘイリー・セント・デニス氏
    ヘイリー・セント・デニス氏

    人権ビジネス研究所
    広報担当

    ICT企業としてNRIに求められる社会的責任とは?

    留意すべき点として、日本政府が仮に、個人情報を不適切に利用しようとした場合でも、NRIはそれを是正するために、プライバシーの権利保護の考え方に沿った何らかの影響力を行使することが、NRIの責任として求められるということです。

    派遣社員への対応に関し、人権面で考慮すべき点

    一般的に派遣社員は、人材派遣会社が介在するために、待遇などを決める際にも派遣社員が実際に働いている会社と直接交渉することが出来ず、弱い立場に置かれています。例えば、英国では、正規社員と同じ教育・スキルがあり同一価値の労働をしているにもかかわらず、派遣社員という理由だけで賃金は格段に低く抑えられています。派遣社員にも正規社員と同様の権利を保障することが重要です。
    ホットラインの対象を派遣社員に拡げることを勧めます。不満の申し立てにより、どのような問題が生じているか知るための重要な情報源となり、状況が悪化する前に対処することができます。

  • 写真:星野 智子氏
    星野 智子氏

    環境パートナーシップ
    会議(EPC)
    副代表理事

    海外における環境面の取り組みで、まず、すべきことは?

    環境マネジメントシステムや環境技術など、日本企業が優れている点は海外にも積極的に展開していくとよいと思います。
    途上国ではまだ深刻な環境汚染の問題を抱える地域が多く存在し、公害問題を克服した日本の経験を応用することができます。NRIがナビゲートしながら、パートナー企業と一緒になってサステナブルな社会をリードしていくことを期待します。
    また、ステークホルダーとの対話は環境でも人権でも重要です。一つの日本企業が進出することにより、その地域に何らかの影響が生じます。地域の住民や自治体と十分な対話を継続することにより、環境や人権について一緒に考えていきましょうという雰囲気を作っていくことが大事です。
    環境と人権は「Rightベース」という意味では同じなので、別々に考えないほうがよいでしょう。「人間が暮らしやすい環境を守ることが人権を守ることでもある」という考え方で地域のステークホルダーと対話を進めていただきたいです。

  • 写真:横山 賢次
    横山 賢次

    野村総合研究所
    常務執行役員

    NRIは、これまでに日本国内において、いくつかダイアログを実施してきましたが、今回、初めて海外でダイアログを実施しました。NRIでは、現在、グローバル化を進めており、近日中にオーストラリア企業のM&Aも完了する予定です。現在の海外売上高比率は約7%ですが、今後、上昇すると考えています。
    今回のCSRダイアログは、海外で著名なESG投資家や人権専門家等の方々からESGや人権についての貴重なご意見をいただき、大変、有意義な場となったことを感謝しております。ロンドンでのダイアログでは、国内のテレビ局からの取材がありました。欧米だけでなく、国内でもESG投資などへの関心が高まってきていると実感しました。今後、ESG投資家等から、より厳しい目で企業のESGの活動が見られる時代になっていくと思っています。
    今回、ご指摘いただいたご意見を真摯に受け止め、弊社の今後の取り組みにいかしていきたいと思います。 私たちは未来のサステナブルな社会を作っていきます。

野村総合研究所(NRI)のその他の出席者

野呂直子 コーポレートコミュニケーション部長
敷野嘉朗 総務部長
本田健司 サステナビリティ推進室長
藤澤茂  サステナビリティ推進室上級

ファシリテーター

石田寛氏 経済人コー円卓会議(CRT)日本委員会 専務理事事務局長
髙橋宗瑠氏 Business Human Rights Resource Centre(BHRRC)日本代表

(2017年11月30日公開)

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