CONTENTS
- 製造業に求められるバリュー・リデザイン
- 収益性・資産構成から見るバリュー・リデザインのトレンド
- バリュー・リデザインの実現を進める企業事例に見る成功要因
- バリュー・リデザインの実現方策:3つのステージの提案
要約
- 本稿では、デジタル技術を有効に活用して提供価値の変革(バリュー・リデザイン)を実現している製造業の狙い、成功要因の分析、および実現に向けた方法論を提示する。
- 企業の資産構成、特に無形固定資産比率と収益性(EBITDA)との関係性に着目し、グローバル製造業382社を対象に分析を行った結果、①無形固定資産比率の高い企業は、デジタルソリューション事業に強いといわれている欧米企業が多い、②無形固定資産割合の高い企業群は、収益性が高く、かつ安定的であることが把握できた。
- 具体的なケースとして、10年以上の長期間で実現に至ったシーメンスに着目した。成功要因に関する考察を通じ、同社が長期メガトレンド・外部環境の変化を念頭に置いたビジョン・経営戦略、注力/非注力領域の明確化と事業ポートフォリオ転換、および有形から無形資産への投資対象シフト、を進めてきたことが実現の背景にあった。
- バリュー・リデザインの進化のステージをステージ1:トータルサービス化、ステージ2:顧客ビジネス高度化、ステージ3:レイヤーチェンジに分け、各ステージの状態・課題を整理した。ステージ3では、クラウドソフトウエアやデータ資源の活用とオープンなエコシステム構築により、限界費用を極限まで低減することで、クリティカルマスを超えた領域で高い収益を実現する事業構造へのシフトが重要である。その実現には、経営レベルでの強いコミットメントにより、特に中長期的な企業構造の変革を推進することに加えて、多数の顧客・パートナーを巻き込む仕組みづくりが重要となる。
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