CONTENTS

1. 国内損保市場におけるネットビジネスの現状
2. デジタル化の進展による保険ネットビジネスの拡大
3. 保険ネットビジネスに求められるDX
4. DXを実現するデジタルプラットフォームの共創

要約

1. 保険業界におけるネットビジネスの先駆けは、ダイレクト損保による自動車保険の販売であったが、英米と比較して市場占有率は低く、国内市場ではいまだ対面型の販売チャネルである代理店が主流である。また、人口減少やシェアリング・自動運転の普及などにより、自動車保険市場全体は縮小すると想定されている。
2. ネット通販、スマホで利用するSNSなどのデジタルサービスの普及により、消費者の行動やライフスタイルが変化し、ニーズに合わせた多様な保険の販売が可能となることで、ネット上での保険の販売機会が拡大する中、通信・ネット事業会社などのプラットフォーマーと大手損保の提携などによる保険ネットビジネスへの参入が加速し、競争が激化している。
3. 保険ネットビジネスにおいては、スマホ、IoT、ビッグデータ、AIによるデジタルデータの捕捉・分析による消費者のニーズに応じた多様な保険商品の開発・販売や、リアルとデジタル技術を融合した信頼感と安心を与える顧客体験の提供を実現するデジタルトランスフォーメーション（DX）が必要である。
4. DXの実現に向けては、競争領域におけるアジャイルなデジタル対応へのリソースシフトが必要である。そのためには、協調領域におけるクラウドを活用したアセットライトかつ効率的な運営を可能とするデジタルプラットフォームの共創が有効な戦略オプションとなる。

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執筆者情報

• 山崎 道雄

  保険システム事業三部

  上級コンサルタント

※組織名、職名は現在と異なる場合があります。