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「YEBISU BAR」の挑戦 “楽しい”という体験がロイヤルカスタマーを生み出す

サッポロライオン 営業部長 遠藤 臣倫氏、ブライアリー・アンド・パートナーズ・ジャパン Executive Account Manager 荒生 知之、野村総合研究所 産業システム事業一部 飯田 雅大

2018/09/27

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ヱビスビールの魅力を存分に味わえるビールバー「ヱビスバー」(全19店舗)を舞台に、サッポロライオン、野村総合研究所(NRI)、NRIグループのブライアリー・アンド・パートナーズ・ジャパン(以下ブライアリー・ジャパン)がタッグを組み、2018年5月からロイヤリティ向上を目指したサービス「YEBISU BARアプリ」を始めました。通常のポイントカードとは異なる仕組みを導入したことで、どのような発見があったのか、3社の担当者に聞きました。

来店者全員にメリットがある「YEBISU BARアプリ」

多くの飲食店で導入されているポイントカードですが、複数人の会計をまとめて支払うと、支払者だけにポイントが付き、他の人には付与されません。また、ポイントカードのシステムは何ポイント貯めたら500円引き、一律数%還元といったサービスが多く、利用頻度、利用金額、ロイヤリティなどが考慮されていません。企業側もポイント・プログラムで集めたデータを活用したいと考えても、わかるのは購入額、性別や年代などの情報のみで、個々人の好みを反映させた新サービス開発に生かしにくい―――。

こうした課題を解決するために、3社が議論を重ね、考え出されたのがスマートフォン向け「YEBISU BARアプリ」です。「店員がお客様にビールをお届けする際に、お客様のスマホ画面に直接、電子スタンプを押します。貯まったスタンプ数に応じてステータスが上がり、特典が得られる仕組みです。他のお客様とスタンプ数を競うランキングもあり、リアルタイムで更新される特徴があります」と、サッポロライオンの遠藤臣倫さんは説明します。

「スマートフォンのアプリにスタンプを押す、という動作を入れることで、来店者全員が特典を受ける対象となります。飲食途中で自分の順位やステータスを見ることができるので、あと何杯でステータスが上がるのかがわかります。会計後ではなく飲食中に顧客や店員がアクションをとれるのは、ありそうでなかったサービスです」と、NRIの飯田雅大は指摘します。「NRIはこれまでサッポログループの基幹システムを主に支援してきましたが、顧客接点でのサービス開発は新しい挑戦でした」。

値引きではなく体験価値の向上で来店を促す

「YEBISU BARアプリ」は、実質的な値引きに当たるポイントカードとは一線を引いたプログラム設計を目指しました。「スタンプが貯まるほど、良い商品が特典として提供され、より大事なお客様として優遇されます。そして、ビールや料理などの特典を通じて、サービスの価値や良さを伝え、『ヱビスバーに行こう』とお客様に感じてもらえるように工夫しました」と、ブライアリー・ジャパンの荒生知之は語ります。過去のイベントなどのデータも参考にしながら、顧客視点で節目となるスタンプ数や特典の中身を検討し、体験価値の向上を図りました。

その結果、「3カ月半で会員数は1万人と順調に伸びています。なかには、すでに200スタンプを超えた方もいらっしゃり、こちらの想定以上の反応に驚きました。そういったお客様に店舗で直接お話を伺うと、特典よりも、スタンプを貯めることや順位に興味をお持ちでした。リアルタイムでランキングが変わることで競争意識が高まり、予想以上に『もう一杯』を促す効果がありました」と、遠藤さんは言います。

「YEBISU BARアプリ」にはアンケート機能もあり、お客様の声を収集できます。それを分析すると、スタンプを「貯める楽しみ」、他のユーザーと順位を「競う楽しみ」以外に、「履歴を見る楽しみ」もあることが判明しました。自分がどの店でいつ何を飲んだのかを履歴で振り返ることで、「また行こう」という再来店につながる効果もありました。

他ブランドにも展開可能なプログラムに

「スマートフォンのアプリという『デジタル』に店員がスタンプを押す、という『アナログ』を融合させることで、お客様とのコミュニケーション機会が増えました。現場スタッフも、ひと手間増えるもののお客様との距離が縮まったと、前向きに取り組んでくれています。運用が定着するまで多少苦労もありましたが、NRIさん、ブライアリー・ジャパンさんの親身なサポートもあって乗り切れました。今ではNRIさん、ブライアリー・ジャパンさんとは1つのチームだと感じています」と、遠藤さんは手応えを感じています。

「2017年9月に検討が始まり、2018年5月にローンチという非常に短期間での取り組みだったため、プレッシャーもありました。うまく進められたのは、問題意識の共有や意思決定がスムーズにでき、途中でコンセプトがぶれなかったからだと思います」と、飯田は振り返ります。

 

 

 

「アプリを活用し顧客接点をつくることで、ヱビスバーで飲食された方に家でもヱビスビールを飲んでいただいたり、普段ビールを飲んでいる方にヱビスバーや銀座ライオンに来店いただいたりするようなプログラムに発展させられればと思っています」と、荒生は思いを語りました。

「お客様の声を反映させてランキングや特典などのプログラムを拡充していくことに加えて、将来的には銀座ライオンなど他ブランドにも同じ仕組みを展開していきたいと考えています」と、遠藤さんは今後への意気込みを述べました。

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